DXコンサルタント育成機関COPでは、毎月末にウェビナーを開催しています。
今回のテーマは、「商品を考える6つの切り口」です。
「売り物」と「商品」の違いとは?
あなたは、「売り物」と「商品」の違いを説明できますか?
似ているようで、実はまったく異なるこの2つ。スキルをビジネスに変えたい人にとって、そして誰かをプロデュースする立場の人にとっても、この違いを理解することが、すべてのスタートになります。
たとえば、「英語の翻訳ができる」というスキルがあるとします。このスキルは「売り物」にはなりますが、それをそのまま「商品」にしてしても売れるとは限りません。
実際に、お師匠が出会ったある女性も、翻訳のスキルを活かしたいと考えていましたが「翻訳します」とだけ打ち出しても、依頼にはつながりませんでした。そこで彼女は、翻訳というスキルを「海外のビジネス書を要約して、毎月レポートで届ける」という形に変えてみたのです。
するとその途端、提案に対する反応が変わり、仕事として成立するようになっていきました。このように、翻訳ができるというのは、その人が持つスキルや知識であり、「売り物」です。それをいろんな切り口で提供することで、ひとつの「売り物」からいくつもの「商品」を作ることができるのです。
では、どのような切り口で考えればいいのか?
今回のウェビナーでは、そのためのヒントとして「6つの切り口」が紹介されました。
商品を生み出す6つの切り口
1. 個数軸──届ける数を変えてみる
個数軸とは、販売する個数を変えられないか?と考える切り口です。今は1個ずつ売っているものを、100個、1000個といった単位で販売できないか?という視点で商品を見直していきます。
たとえば整体師の場合、通常は1対1の施術が基本です。これは“1個ずつ売っている状態”といえます。ですがここで「この整体の価値を100人に同時に届けるにはどうすればいいか?」と考えると、まったく別の商品像が浮かび上がってきます。
たとえば「セルフ整体の方法を解説したDVD教材を作り、販売する」といった形にすれば、直接施術をしなくても、同じ技術を100人、1000人に一度に届けることが可能になります。このように個数の視点から再設計することで、全く別の商品が浮かび上がります。
2. 期間軸──提供する期間を変えてみる
期間軸とは、提供する期間を変えられないか?と考える切り口です。提供している商品やサービスを、1週間、1ヶ月、3ヶ月といった期間で販売できないかという視点で商品を見直します。
たとえば整体師であれば、1回60分の施術で提供しているとします。ここで「このサービスを、3ヶ月という期間で売るとしたら?」と考えてみるとどうでしょう。
たとえば「3ヶ月間で疲れにくい身体をつくるオンラインプログラム」や「6ヶ月継続サポート付きの姿勢改善コース」といった商品にすることで、単発では得られない変化や成果に価値を置いた設計が可能になります。このように、期間の視点から商品を組み直すことで、関係性や変化のプロセスそのものが商品になっていくのです。
3. 時間軸──使う時間を変えてみる
時間軸とは、サービスや体験にかける1回あたりの時間を変えられないか?と考える切り口です。今まで1時間、2時間といった形で提供していたものを、もっと短くする、もっと長くする、あるいは時間そのものに価値を持たせるといった視点で商品を見直します。
ここでよく混同されがちなのが「期間軸」との違いです。期間軸が1週間〜数ヶ月など長期的な継続提供を考えるのに対して、時間軸は「1回ごとの体験の時間」に焦点を当てます。
たとえば、飲食店の「2時間飲み放題」は、料理そのものではなく2時間という時間の使い方を商品として打ち出している例です。整体師の例で考えると、「30分で肩こりをほぐす即効施術」という短時間に特化した商品もあれば「90分じっくりカウンセリング付きで根本改善」といったように、長さを価値に変える設計も可能です。
このように1回の時間から先に考えてみることで、商品を再構築することができるのです。
4. 顧客軸──届ける相手を変えてみる
顧客軸とは、誰に届けるかを変えられないか?と考える切り口です。今まで特定の相手に提供していた商品を、まったく別の相手に届けることで価値が変わらないかという視点で商品を見直します。
整体師であれば、ふだんは「体が疲れている一般の顧客」に施術を提供しているはずです。
しかし「整体師になりたい人」や「独立を目指す人」を対象にすれば、まったく別のニーズが浮かび上がってきます。
たとえば「失敗しない整体開業ノウハウ講座」や「繁盛院の接客術」といった形にすれば、同じ知識や経験でも「施術を受ける人」ではなく「これから施術をする人」に届ける商品へと生まれ変わります。
また、「子育て中のママ向けの簡単ストレッチ講座」「カップルで学べるペア整体レッスン」など、ライフスタイルや立場の異なる人を顧客にすることで、新しい文脈での提供が可能になります。このように顧客の軸を変えることで、同じスキルでも、まったく別の角度から価値を届ける商品に再設計することができるのです。
5. 人数軸──届ける人数を変えてみる
人数軸とは、1回のサービスを何人に届けるかを変えられないか?と考える切り口です。ふだん1人ずつに提供しているものを同時に複数人に届ける形にできないか?という視点で考えます。
たとえば整体師の場合、基本は1対1で施術を行います。ですが「この技術を、何人かにまとめて教えることはできないか?」と考えてみると、新しい形が見えてきます。
たとえば「夫婦で学ぶペア整体レッスン」や「10人参加のグループワークショップ」「大人数向けのセルフ整体セミナー」など、同時に複数人に届ける体験型の商品に変えることができます。
ちなみに、個数軸が「何人に売るか=同じものを何個売るか」だとしたら、人数軸は「一回で何人同時に売るか」という違いがあります。このように人数の視点で見直すことで、また違った商品になります。
6. 実行者軸──やる人を変えてみる
実行者軸とは、そのサービスや体験の実行者を変えられないか?と考える切り口です。これまでは自分が提供していたものを、別の人がやる形にできないか?という視点で商品を見直します。
たとえば整体であれば、通常は「プロの整体師である自分が施術する」ことが基本です。しかしここで、「自分がやるのではなく、整体師じゃない別の人を実行者にしたらどうなるか?」と考えてみると、商品設計の可能性が広がります。
たとえば、「セルフ整体を学ぶ講座」や「1日整体体験イベント」「家族にやってあげる整体レッスン」など、いつもは施術を受ける人が、施術する側になる体験型の商品が生まれます。
このように実行者を変えることで、「やってみたい人に体験させる」商品へと切り替わります。農業体験ツアーや、1日バーテンダーイベントなどもこの考え方に当てはまります。このように実行者軸を見直すことで、体験を提供する側から、体験できる場をつくる側へと発想が切り替わり、まったく新しい価値を生み出すことができるのです。
実践ワーク:身近なスキルを6つの視点で商品化する
ウェビナーの後半では、今回学んだ「6つの切り口」を実際に使って考えてみるワークが行われました。題材は「パーソナルトレーナーをプロデュースするとしたら?」という設定。
参加者は、自分がそのトレーナーの商品設計を任されたと仮定し、6つの視点からひとつずつアイデアを出していきました。
たとえば──
・個数軸:「筋トレの基礎をまとめた入門DVDを500本販売」
・期間軸:「3ヶ月で理想の体を目指すオンライン伴走プログラム」
・時間軸:「30分だけの“スキマ筋トレ”レッスン」
・顧客軸:「子育て中のママ向け宅トレ習慣づくり講座」
・人数軸:「企業向け健康づくりセミナー」
・実行者軸:「パーソナルトレーナー育成講座」
このように、ひとつのスキルからでも、視点を変えるだけでまったく違う形の商品がいくつも生まれます。お師匠からのフィードバックでは「それぞれの切り口に正解があるわけではなく、どこからでも考えられることが重要」と強調されていました。発想を柔らかくする練習としても、この6軸は非常に有効です。
COP月末ウェビナーとは?
COP月末ウェビナーは、DXコンサルタント育成機関「COP」が毎月開催している月末ウェビナーです。ただ知識を学ぶだけではなく、「自分の頭で考え、実際にアウトプットしてみる」ことを重視しているのが最大の特徴です。
今回のような商品設計の考え方をテーマにした回でも、講義を聞くだけで終わるのではなく、参加者自身がその場で手を動かし、思考を深め、講師から直接フィードバックをもらうことができます。
取り上げられるテーマは、マーケティング、コピーライティング、企画、セールス、プロモーション設計など幅広く、どれも「実践の現場」でそのまま使える内容ばかりです。
「誰かの商品を売れる人になりたい」
「自分のスキルを、価値ある形で届けられるようになりたい」
そんな思いがある方にとって、きっと新しい視点と武器が得られる場になるはずです。
気になった方は、ぜひ下記からDXコンサルタント育成機関COPの詳細をご覧ください。
➡︎ https://penguin-asp.com/lp/1ycu/89nm
COP月末ウェビナーについての記事一覧はこちら
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