これまでに「DXの全体像」と「DXの具体的な実例」を解説してきました。おそらくほとんどの方がDXとはなんなのかということを大まかに理解していただけたと思います。ですが正直なところ、まだ不十分です。そこで今回は、DXを語る上でどうしても外せない、しかしつい見落としてしまいがちなDXの3つのテーマについて解説いたします。
目次
- DXの定義とは?(復習)
- 実はそれ、DXとは呼べません・・・
- DXには段階がある!『3つのフェーズ』とは
- 多くの日本企業は、最初の段階であるデジタルパッチすら達成できていない
- DXには3つのフェーズがあることを理解し、正しい手順で着実に進めていこう
▪︎DXの定義とは?(復習)
デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation;DX)の本質とは、
①ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること
②既存の価値観や枠組みを根底から覆すような革新的なイノベーションをもたらすこと
主に上記の2点が挙げられます。まずは必ずこの本質を覚えてくださいね。
▪︎実はそれ、DXとは呼べません・・・
DX化が活発に推進されるようになり、一気に前進したように思える日本の企業。しかし、その多くの企業が実はDXとは呼べない「なんちゃってDX」と呼ばれる取り組みをしている段階で停滞しています。一体なぜそういえるのか。実はDXの前には2つのフェーズが存在するからなのです。
▪︎見落とし厳禁。DXには『3つのフェーズ』が存在します
下記の流れから分かる通り、実のところDXとは最終段階のことを指すのです。
※(〜%)はDXまでの到達率を示しています。
====
①デジタルパッチ(10%)
⬇︎
②デジタルインテグレーション(50%)
⬇︎
③DX(100%)
====
①デジタルパッチ(デジタルツールの導入、個別領域へのデジタル対応)
ここでは、シンプルに今までデジタル化をしていなかったモノを部分的にデジタル化をしていくというようなフェーズです。
具体的な例としては、今までお客様とアプローチ手段として手紙という手段を使っていた企業がメールを使ってお客様へ情報を届けるように変更したり、ホームページやSNSアカウントの運用を開始するなどといったフェーズです。
②デジタルインテグレーション(コスト構造の根本的転換)
ここでは、先ほどのデジタルパッチよりも、より高度なデジタル化を行い、拡張して進めていく段階です。例えば、会社内の他の部署としっかりと連携が取れるようになるなど汎用性を持ってデジタル化を進めていくフェーズと言えます。
③DX(既存の枠組みの変革)
新しいビジネスモデルへの転換、そして最後のフェーズであるデジタルトランスフォーメーション。ここでは企業の構造そのものを変革するなど大規模なDX化を進めていくというフェーズになります。ここまでくると企業構造だけではなく、売上の規模やサービスを使用しているユーザーにも大きな影響を及ぼします。
▪︎多くの日本企業は、最初の段階である「デジタルパッチ」すら達成できていない
確かに現在は、DXを推進しようとする風潮が強まりつつあります。ですが実際のところ「Webサイトの作り方が分からない」「メールの送り方が分からない」「電子決済の方法が分からない」「SNSの運用が分からない」などDX実現には程遠いと言わざるを得ない中小企業が多く見受けられるのが現状です。だからこそ今しっかりとDX化にむけて行動を起こすことに大きな価値があるといえます。
▪︎【まとめ】DXには『3つのフェーズ』があることを理解し、正しい手順で着実に進めることが大切
DXには、「デジタルパッチ」▶︎「デジタルインテグレーション」▶︎「DX」という3つのフェーズがあることを理解していただけましたか?一見難しそうに感じるDXですが、正しい知識を身に付け、正しい方法で行えば誰でも着実に推し進めることができます。ぜひこの機会にしっかりと学んで実践してみてはいかがでしょうか。