DXコンサルタント養成機関COPでは毎月末にリアルタイムウェビナーを開催しております。
今回のCOP月末ウェビナーでは、事前課題として参加者に「100円の缶コーヒーを、できるだけ高く売るにはどうすればいいか?」というテーマが提示されました。
そして当日、参加者たちはその回答を発表し、お師匠によるフィードバックを受けながら、価値を創り出すマーケティング思考とは何かを実践的に学んでいきました。
普段は何気なく手にする缶コーヒーをどのように工夫すれば、人は“高くても買いたい”と感じるのか。どの案も、想像力とマーケティング的視点が詰まっており、ユニークな案ばかりでした。
今回はその中から、とくに示唆に富んだ3つのアイデアをご紹介します。マーケターだけでなく、商品企画・PR・販売に関わるすべての人にとって、ヒントとなるはずです。
1.ファン心理を刺激せよ!希少性を価格に変えるマーケティング発想
「AKB48の解散」というタイミングにあわせて、メンバーの直筆サイン入り缶コーヒーを1本ずつオークション形式で販売する──この案は、参加者の中でもとくに価格が高騰する構造を論理的に設計できていた提案でした。
まず着目すべきは、ターゲットを熱狂的なファン層に定めている点です。ファンにとっては、推しのサインが入ったアイテムは、金額では測れない価値を持ちます。しかもそれが「解散記念」で「数量限定」となれば、さらに希少性が増し「今買わなければ二度と手に入らない」という強烈な欲求が生まれます。
さらに、販売形式を“定価販売”ではなく“オークション”にしているのもポイントです。欲しい人が複数いることで、自然と価格がつり上がっていく構造ができあがっており、買い手の感情によって価値が跳ね上がる仕掛けが施されています。
2.モノではなく「体験」で売る「富士山・初日の出コーヒー」
この提案は、商品そのものの魅力を語るのではなく「それをどこで、いつ、どのように味わうか」という体験設計に主軸を置いていた点が特徴です。
内容はこうです。
元日の早朝、富士山山頂で初日の出を眺めながらミネラル豊富な湧き水で丁寧にドリップされた一杯のコーヒーを飲む──というシチュエーションそのものを商品化しようというアイデアでした。
ここで設計されているのは「初日の出」×「富士山」×「その瞬間だけのコーヒー体験」という非日常性と限定性。加えて「このコーヒーを飲むとその年の運気が上がる」というゲン担ぎのストーリー性も組み合わさっており、ただの飲み物を“特別な儀式”へと昇華させています。
重要なのは、コーヒーの味やブランドに依存していない点です。その時間・その場所・その行為に意味を持たせることで、商品価値が跳ね上がるという構造になっており、「価格は体験が決める」というマーケティングの原則を、非常にわかりやすく体現した提案でした。
3.意味のある購入が最強の動機になる──寄付型マーケティングの力
この提案は「商品の購入そのものを社会貢献に変える」という発想が軸になっていました。
具体的には「この缶コーヒーを100万本売ることで、アフリカの地域に学校が建つ」というプロジェクト型の販売構造を構想しています。対象は、企業のCSR活動や超富裕層。彼らが購入する理由は、飲料の味や機能ではなく「意義ある支出」を通じた社会貢献です。
この提案の優れている点は、モノとしての価値を超えて「買うという行為に意味が宿る」というマーケティング軸を打ち出していることです。さらに、もしこのプロジェクトに支援先の子どもたちの声や映像、活動レポートなどが付加されれば、購入者の共感と満足度はさらに高まり、継続的な支援や拡散効果も見込めるはずです。
これは、今注目されている「意味消費(Meaningful Consumption)」の考え方とも合致しており、“自分の購買行動が社会を変える”という動機づけが最大の価値になるという点において、非常に本質的なマーケティング提案でした。
AI時代に価値を作れるのは「人間の想像力」
「AIに代替される仕事」としてマーケティング職が挙がることもある昨今。しかし、このウェビナーを通じて明確になったのは、価値を創造するという行為の本質は、人間の想像力にしか担えないということでした。
100円の缶コーヒーを、誰に、どのタイミングで、どのような文脈で売るか。そこには正解のない問いがあり、データだけでは導き出せない感情と価値観の設計が必要とされます。
実際、参加者のアイデアには、ファン心理、非日常の体験、社会的意義といった多様な視点が盛り込まれており、それぞれに異なるアプローチで「価値の再定義」に挑んでいました。
お師匠がたびたび口にしていたのが、この言葉です。
「マーケティングとは、価値を見つける仕事じゃない。価値を創る仕事だ」
AIが情報を処理しても、価値の意味づけは人にしかできない。だからこそ、これからの時代に必要なのは、既存の枠を超えて考える力であり、誰かの心に届く見せ方を設計できる人間的な想像力なのです。
DXコンサルタント養成機関「COP」の月末ウェビナーとは?
今回のような実践的なワークが行われたのは、DXコンサルタント育成機関「COP」が毎月開催している月末ウェビナーです。
このウェビナーの最大の特徴は「考えて終わり」ではなく「アウトプットまでやり切る」ことにあります。毎回、実務に直結するテーマ課題や実践ワークが出題され、参加者は実際に手を動かし、自分なりの答えを提出します。そして当日は、マーケティング歴15年・累計売上200億円超の実績を誇るお師匠から、直接フィードバックを受けられるという、他にはない学習体験が得られます。
テーマはコピーライティング、戦略設計、広告構造、商品価値の定義など多岐にわたり、参加者には社会人も学生も混在していますが、全員が「考える力を伸ばす」ことを主眼にしています。
また、すべてのウェビナーはアーカイブ視聴が可能で、途中から参加したメンバーでもキャッチアップしやすい設計になっています。「自分で考え、自分で売れる人になる」そのための思考の武器を手に入れる場として、COPの月末ウェビナーは今日も進化を続けています。
気になった方は、ぜひ下記からDXコンサルタント育成機関COPの詳細をご覧ください。
➡︎ https://penguin-asp.com/lp/1ycu/89nm
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